クジライカ(ヒディアーズ)を掃討するためその巣である旧文明の遺跡に入ったレド、そこで人類に関する「衝撃の事実」を知りショックを受けます・・これぞまさにSF!伝えようとしているそのテーマが深い!!
・TVアニメ『翠星のガルガンティア』第9話「深海の秘密」の視聴感想・作品情報等を書いています。作品を「もうちょっと」楽しむための一助となれば幸いです。
前回の感想(第8話)
フェアロックの死去に伴い新しくガルガンティアのリーダーとなったリジット。第9話よりOPでの登場シーンもそれに合わせた変更がされています。
生真面目な雰囲気だった結った髪をほどき、そのポーズも正面を向き足を若干開いた構えるものとなり以前より力強くなったイメージに。同時にフェアロックやガルガンティアを去ったフランジの姿が消去されています。
細かい部分ですがこういった気配りが嬉しいですよね。
この変更があるおかげで、後に続くリジットのカットが意味するところもだいぶ違ってくるというものです。
第9話「深海の秘密」【ストーリー】
■第9話 あらすじ
ガルガンティアを離れたピニオンたちが到着したのは、「霧の海」。その霧の中には旧文明の海上プラントがあり、海底にはお宝が多数眠っているはずの遺跡があるのだった。
【アニメ視聴感想】第9話「深海の秘密」
旧文明の遺跡が眠っている「霧の海」に辿り着き、かってここで命を落とした兄のことを回想するピニオン。お宝をゲットすることは自身のサクセスが目的であるとともに、それを手に入れることは兄に対する供養の意味もあるということです。
ピニオンにとって兄の命を奪ったクジライカ(ヒディアーズ)は仇でしかなく、その排除には全く躊躇をしない彼でしたが・・。
爆雷でイカさん大虐殺!レドもクジライカとの接近戦用に新造した爆薬付きの銛(槍?)で殺しまくります。
個人的には捕鯨を連想させる残酷なシーンなのですが、海中に漂うその肉片を見たら「イカの塩辛」が食べたくなった(笑)。これはイカンですな。日本人なので海棲生物につい食欲が湧いてしまうという。
しかし遺跡に残されていた記録データの閲覧で、レドは人類の敵である「ヒディアーズ」の正体を知ります。彼らは氷河期の到来という過酷な気候変動を生き残るため、人間が作り出した「人類自身」だったのです!。
生存が難しくなった地球を捨て、移住可能な天体を探すために「ナノマシン」と遺伝子操作の力を借り新しい人類として誕生した彼らでしたが、その行為は倫理を越えた行動として旧人類と激しい戦いを生むことに。
そして「ヒディアーズ化」をしなくても、恒星間の移動が可能となる超跳躍航法(ワープ)が確立すると、その戦いはそれぞれの存在の意義をかけた「イデオロギー」の戦いへと変化していきます。
自らした行為に気づき激しく動揺するレド。人類銀河同盟軍の兵士としてではなくガルガンティアに住む人々の一人として戦ったレドでしたが、皮肉にも「同胞を殺してはならない」というその教えを破ってしまうことに。
そして戦えない「弱い者」を守るための戦いだったはずが、レド自身が弱い者の命を奪うという残酷すぎるオチが辛すぎます・・。
そんなレドの心の叫びがまるで聞こえたかのように泣きだしてしまうエイミー。涙を流す感情を知らないレドの代わりにそうしているかのように・・。レドの作った笛を吹くベベル。その音が深く染み入ってくるようなあまりにも悲しいラストシーンでありました。
安っぽくなるからあまり使わないのですが、はっきり言って「神回」だった今回のエピソード。SFとして古典ではありますがゆえにテーマとして優秀だし、ドラマとしてもキャラクターの感情に共感できすぎて素晴らしいの一言しかない。
「感動」ではなく深く考えさせられるこの感じ。お話しは苦々しく終わりましたが、その中に多くのメッセージが込められてたエピソードでありました。
【おまけ】日本のアニメは世界から取り残された「ガラパゴス」?
話がいきなり変わるのですが(笑)、「日本のアニメはダメだ」みたいな話題が最近上がっていました。その内容を要約すると日本のアニメ作品は「世界の潮流に取り残されているのか?」で喧々諤々の議論になっているというもの。
私個人の考えではありますが、作品に多様性があるというのはそんなに悪い事でもないかと。中には今回のガルガンティアみたいにメッセージ性が深い作品もあるわけです。売れるうれない、賞が取れるとれないとかは別の話として。
ただ内容薄く低俗な作品が多いのは事実かな・・深夜アニメなんてとてもじゃないですがどれも子供には見せられない。でも私は喜んで観ていますけどね!(笑)。
ガラパゴスアニメ最高!日本のアニメは放送禁止すれすれ(というか禁止)のパンクロックだぜ!!ヒャッハー!!!。
『翠星のガルガンティア』商品情報
ブルーレイBOX
OP/ED主題歌
『翠星のガルガンティア』放送局情報
【再放送】
TOKYO MX 1月5日より毎週日曜 23:00〜
BS11 1月7日より毎週火曜 24:30〜
配信情報
U-NEXT・バンダイチャンネル等で配信
※レンタル配信のみ
スタッフ・CAST
STAFF
原作:オケアノス
原案:村田和也・虚淵 玄(ニトロプラス)
監督:村田和也
シリーズ構成・脚本:虚淵 玄(ニトロプラス)
キャラクター原案:鳴子ハナハル
メカニックデザイン:石渡マコト(ニトロプラス)
音楽:岩代太郎
アニメーションキャラクターデザイン:田代雅子
総作画監督:田代雅子、佐々木敦子
ガルガンティアイメージ:岡田有章
設定考証・デザイン:小倉信也
プロップデザイン:常木志伸、村山章子
美術監督:栫 ヒロツグ(ととにゃん)
美術監修・美術設定:加藤 浩(ととにゃん)
色彩設計:田中美穂(スタジオロード)
3D監督:遠藤 誠(トライスラッシュ)
3Dテクニカルディレクター:須藤 悠
モニターワークス:吉祥寺トロン
特殊効果:村上正博
撮影監督:田中宏侍
編集:浜宇津妙子
音響監督:明田川仁
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:Production I.G
OP主題歌:「この世界は僕らを待っていた」茅原実里
ED主題歌:「空とキミのメッセージ」ChouCho
CAST
レド:石川界人
エイミー:金元寿子
リーマ:水瀬いのり
サーヤ:茅野愛衣
メルティ:阿澄佳奈
ベローズ:伊藤 静
リジット:大原さやか
ピニオン:小西克幸
ラケージ:恒松あゆみ
チェインバー:杉田智和
マズル:櫻井孝宏