そのタイトルに込められた声なき「叫び」に息を止める『氷菓編』の苦い結末、青春の「薔薇色」とは何か?それを見つけに行く奉太郎の高校生活はまだまだ続きます!
・TVアニメ『氷菓』第5話「歴史ある古典部の真実」の視聴感想・作品情報等を書いています。作品を「もうちょっと」楽しむための一助となれば幸いです。
前回の感想(第4話)
古典部は大豪邸の『える』の自宅へと集まり45年前の関谷純に何が起こったのかを推理していきますが・・重大な核心にはまだ辿り…
45年前『える』の叔父・関谷淳に何が起こったのか?。古典部三人それぞれの推測をまとめ上げた奉太郎は、文化祭に絡んだ「学校と生徒間のトラブル」から関谷が学校を去る事になった・・と結論付けます。「何が起こったのか」という事実は分かりましたが・・それでは幼い日の自分は何故そのことで泣き出してしまったのか?、という『える』の心の中の疑問はまだ晴らされていません。
そして一応の答えを導き出したものの、『える』と同じように「何か」が頭の中に引っかかっている奉太郎でしたが・・。今回の「文集・氷菓編」の完結で、関谷がどうしても「伝えたかった」メッセージが長い年月を経て明らかとなります。
第5話「歴史ある古典部の真実」【ストーリー】
第5話 あらすじ
45年前の真実。それを知る意外な人物。その人物と関谷純との間に何があったのか。えるが号泣した謎に迫って行く!!(HP引用)
脚本 賀東招二 絵コンテ・演出 三好一郎 作画監督 堀口悠紀子
アニメ視聴感想(第5話)
幼い日の『える』と叔父・関谷との間に何があったのか?。姉・供恵(ともえ)の電話で、関谷淳の事件は「英雄譚」ではなく悲劇だったということを知らされる奉太郎。文集・氷菓のタイトルに込められたその謎は45年の時を経てようやく解かれることに。
「犠牲」の本来の意味である「生贄」にされ、大勢の『薔薇色』のために学校を去った叔父の声なき「叫び」の真の意味を『える』は思い出します・・。
なんとも苦すぎる結末!「学園生活」を描く作品としてこの終わり方は全然「甘く」ない!(笑)。そして浮かれていないビターなこの「オトナな感じ」が私はとても好きなのです。
しかし「浮かれた青春」がテーマの方が一般には受け入れられやすいというこの事実(笑)。京都アニメーションの作品の中でもちょっと「異色」な存在。好みも分かれそうなところです。そしてこれから「氷菓」で描かれるエピソードにも同じことが言えると思います。
どうしても氷菓と叔父・関谷との事を分からないままに「時効」にしたくなかったという『える』のセリフ。それは「薔薇色」と言えることなのか?。関谷の45年の事件を知り「省エネ(灰色)」の生き方を信条としている奉太郎は自分の考えもあながち悪くない、とは言うのですが・・。
「青春は『薔薇色』じゃない」しかし奉太郎の青春は『灰色』でもなくその中間の「保留」で今のところ揺れ動いている・・そんなことを感じながら見終えた第5話でありました。
ところで文集のタイトルに込められた「氷菓」の意味がどういうことなのか?というのは「シックスセンス」級のネタばれとなるので伏せておきます(笑)。
まあ奉太郎のセリフのように「くだらない」ともいえますが・・その衝撃はまさに「シックスセンス」級なのであります!(しつこい(笑))。
まだ観ていない方はとりあえず一度御視聴を!。
やはり「氷菓」のオープニングとその主題歌は素晴らしかった!
ということで「第5話」が終了した時点でほとんどの方は気づかれた事があると思うのですが・・分かりましたか?。もっと早い段階で分かった方もいるのかも。
オープニングの歌詞が「氷菓編」の奉太郎の心情を描いている、ということに。そして何気ない奉太郎たちの「日常」を描いているものと思っていたオープニングが、第5話を観終わった後は全く違ったものに見えるのではないでしょうか。
”全部過去になる前に見つけに行こう”等の歌詞それ自体もそうですが「優しさの理由」という曲のタイトルにも、思わず「そういうことだったのか!?」と謎を解いた気分になり嬉しくなってしまいます。
もちろんアニメの主題歌という所を切り離して聞いても「いい楽曲」ではありますけどね。
■『氷菓』関連商品
ブルーレイBOX
※TV未放映OVA収録(第11.5話)
OP/ED主題歌
コミカライズ
原作小説
『氷菓』放送局情報(2020年再放送)
BS11 毎週火曜 25:00〜
アニメシアターX(AT-X)毎週(木)22:00 毎週(土)14:00 毎週(水)6:00 【30分×2話ずつ】
配信情報
NETFLIX・U-NEXT・HULU・dアニメストア等で配信
『氷菓』スタッフ・CAST
STAFF
原作・構成協力 – 米澤穂信(角川文庫刊『〈古典部〉シリーズ』から・『月刊少年エース』連載)
企画 – 安田猛、八田陽子、武智恒雄、井上俊次
監督 – 武本康弘
シリーズ構成 – 賀東招二
キャラクター原案・デザイン・総作画監督 – 西屋太志[注 12]色彩設計 – 石田奈央美
設定 – 唐田洋
美術監督 – 奥出修平
撮影監督 – 中上竜太
編集 – 重村建吾
音響監督 – 鶴岡陽太
音楽 – 田中公平
音楽プロデューサー – 斎藤滋
音楽制作 – ランティス
エグゼクティブプロデューサー – 安田猛
プロデューサー – 伊藤敦、八田英明
アニメーションプロデューサー – 瀬波里梨
アニメーション制作 – 京都アニメーション
製作 – 神山高校古典部OB会
CAST
折木 奉太郎:中村悠一
千反田 える:佐藤聡美
福部 里志:阪口大助
伊原 摩耶花:茅野愛衣
折木 供恵:雪野五月
遠垣内 将司:置鮎龍太郎
入須 冬実:ゆかな
十文字 かほ:早見沙織
沢木口 美崎:伊瀬茉莉也
糸魚川 養子:小山茉美
田名辺 治朗:福山潤
陸山 宗芳:森川智之