「プロジェクトX」視聴感想
NETFLIXでプロジェクトXを観たので、その感想を書きたいと思います。
挑戦の物語 プロジェクトX
気が付かなかったのですが、NETFLIXで「プロジェクトX」が配信されていました。結構前にNHKで放送されていたドキュメンタリー番組で御存じの方も多いと思いますが、私はあまり見た事がありませんでした。
この番組はいろいろな企業や団体が実現が難しい「プロジェクト」をどのように達成したのかを関係当事者のインタビューも交えて描くドキュメンタリー番組なんですが、たまたま見た回(たぶんこの1回だけ見ました)で印象に残っていたのが自動車メーカー「マツダ」のロータリーエンジン市販化を回想した回、「ロータリー47士の闘い 夢のエンジン 廃墟からの誕生」です。
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ロータリーエンジン(Rotary engine)とは、一般的なレシプロエンジンのような往復動機構による容積変化ではなく、回転動機構による容積変化を利用して、熱エネルギーを回転動力に変換して出力する原動機である。レシプロエンジンとは基本的に大きく異なる構造を持っており、エンジン本体に往復運動部はなく、回転運動のみで動作している。またロータリーエンジンの吸気および排気のポートは、ハウジングの内面に設けられた孔がローター自体により開閉されるため、一般的な4ストロークレシプロエンジンのような、往復動する吸排気バルブやこれを開閉するカムシャフトなどの動弁系は必要ない。
(wiki抜粋)
はじめは「ロータリーのマツダ」ではなかった
この番組を見るまでロータリーはマツダが一から開発したエンジンだと思っていたのですが、正確には特許を持つドイツの企業から契約金2億8,000万円(当時の従業員8,000人分の給与)で技術提携をして開発したものでした。
しかし当初は、番組内でもあるようにとても実用として使えるものでなく、白煙を噴き出すところから「カチカチ山」や、酷い揺れが発生して「電気あんま」などと呼ばれていて、とても商品として量産できるものではありませんでした。
自動車業界再編を前に、広島の為「エンジンは生まれた」
プロジェクトの責任者であった山本健一さんは、問題山積みの激務の為に頬の肉が削げ落ちるほど憔悴し、もう商品化は無理だと考えて当時の社長の松田氏に「まるで賽の河原です」と開発リーダーを降りる事を伝えるのですが「これを開発できるのは故郷を愛する君しかいないんだ」と止められます。
これも番組内で語られるのですが、当時の自動車業界はアメリカ車の輸入自由化を控えて通産省主導で「業界再編」が図られていた時でした。
ロータリーエンジンの量産化に失敗すればトヨタや日産に吸収され広島のマツダはなくなる・・・。原爆の投下で廃墟になった広島の、「地元復興の要であるマツダをなくすことはできない」という経営者や社員の強い想いがプロジェクトを成功させます。
ただ利益を追求しただけであればプロジェクトは失敗し、会社もなくなっていたでしょう。何かしらの想いがなければそこで終わる、某家電メーカーの旧経営陣にぜひ見てほしい番組です。いや、企業の経営は難しくて厳しいのは、傍からみても分かるんですが・・・。
「地元=社員」、社員のことを考えなくなったら日本の企業は終わりだと思います(もう終わっているのかも・・・)。非正規社員がほとんどを占める現状に、久しぶり(約15年前?)に見ていろいろと考えさせられた番組でした。
「NETFLIX」配信ジャンルが広がっています
NETFLIXは海外ドラマのイメージが強いのですが、最近はかなり手広いジャンルで配信を行っています。最近では日本のバラエティー番組やドキュメンタリー、海外の番組では音楽系の番組も配信開始になっておりいろんなユーザーに楽しんでもらえるラインナップになって「多ジャンル化」が進んできているようです。
無料のお試しもできるので、タブレットやパソコンでどんな番組が配信されているか見ていただくだけでも面白いんではないでしょうか。
追記 2017年12月26日
昨日、ネットのニュース記事で山本健一さんが12月20日に亡くなられたとの記事が。老衰だったそうです。故郷を愛して難プロジェクトを成功させ、会社(広島)を救った四十七士のリーダー。番組の中で「復興に汗を流す広島の人達の姿を見て、荒んだ気持ちを救われた」とありました。
ご冥福をお祈りいたします。