殺すのではなく助けることで「笑顔」を取り戻した百鬼丸にちょっと感動、そして一番怖いのは「人間」です・・
・2019年冬アニメ『どろろ』第7話「絡新婦の巻」視聴感想・作品情報等を書いています。作品をもう少し楽しんでいただく一助となれば幸いです。
前回の感想記事
音を嫌がる百鬼丸でしたが荒寺に住む少女ミオの唄だけには安らぎを感じます。しかし始まった戦のため、あらぬ疑いをかけられ孤児たちと共に殺されてしまいます・・。
・・何の救いもなく辛すぎる結末にただ涙。虫の息のミオの唄を聞き、怒りという初めての感情を百鬼丸は爆発させます。彼女の死で、ある意味人間らしい顔を見せる百鬼丸の姿が皮肉です。そして百鬼丸が最後に彼女を抱きしめその名を絞り出す様な声で呼ぶシーンでまた涙。
人の死とその悲しみを描いたシーンでこの感想は不謹慎ですが、心えぐられる素晴らしい演出と作画・構成のエピソードだったと思います。
ここまで基本「仮面」のような表情だった百鬼丸の表情が目まぐるしく変わり、それがこの「悲しさ」を盛り上げるんですよね・・。でもこのシーン悲しさとはうらはらにすごく美しくて綺麗。返り血を浴びた姿までも何だか作り物みたいだった百鬼丸に「生」が吹き込まれたような気がして・・。
悲しみしかないシーンなのに「綺麗」ってちょっとヘン?(笑)。どろろは百鬼丸を必死に止めていたというのに。
第7話「絡新婦の巻」【ストーリー】
第7話 あらすじ
アニメ視聴感想(第7話)※ネタばれ注意
弥次郎は倒れているのを助けた女「おはぎ」が妖とは知らず村の外へ逃がそうとしますが、途中百鬼丸や見張りに見つかり行く手を阻まれることに。そして弥次郎の口から「ひとさらい」の正体は過酷な搾取から村人を逃がす自分だった事が話されます・・。
なんと信じられないことに今話ハッピーエンドで終わりビックリ!前回と打って変わってなんとも気分よく観終わったこと(笑)。絡新婦は妖ではあるけど鬼神ではなかったのでしょうね。だから百鬼丸は殺さなかった。そして無駄な殺生をしなかったのは前回ミオとの悲しい別れを知ったからこそです。
でも「取り戻した」ものはあったというオチに結構感動!。表情こそはっきりとは見えませんでしたが、百鬼丸はきっと「笑顔」を取り戻したはずです。いやー、それにしても懐が深いお話しの作り方に思わず脱帽です。陰鬱なお話しだけでは百鬼丸は「人」に戻ることは出来ませんからね。
絡新婦のおはぎが実に表情豊かに描かれていましたね。時には愛らしさも感じる人間以上に人間らしいその表情。その一方一番怖いのは実は人間だったという今回の「人攫い」のオチ・・。
放送・配信情報
放送局
TOKYO MX 毎週月曜22:00
BS11 毎週月曜24:30
時代劇専門チャンネル 毎週金曜26:00
配信
Amazon Prime Video等で配信
スタッフ・CAST声優
スタッフ
原作:手塚治虫
監督:古橋一浩
シリーズ構成:小林靖子
キャラクター原案:浅田弘幸
キャラクターデザイン:岩瀧智
美術監督:藤野真里
色彩設計:三笠修
撮影監督:大山佳久
編集:武宮むつみ
音楽:池頼広
音響監督:小泉紀介
音響効果:倉橋静男
アニメーション制作:MAPPA/手塚プロダクション
製作:ツインエンジン
CAST声優
百鬼丸:鈴木拡樹
どろろ:鈴木梨央
琵琶丸:佐々木睦
醍醐景光:内田直哉
多宝丸:千葉翔也
寿海:大塚明夫
縫の方:中村千絵
ナレーション:麦人