なぜか本心とは逆の言葉をぶつけあってしまう「ラブコメ展開」的な百鬼丸とどろろ、今まで描かれてこなかったコミカルな風味が楽しい「手塚ワールド回」でした!(笑)
・TVアニメ『どろろ』第19話「天邪鬼の巻」視聴感想・作品情報等を書いています。作品をもう少し楽しんでいただく一助となれば幸いです。
前回の感想記事
「鬼神」百鬼丸を討伐するためどろろの父が財宝を隠した岬へと攻め入ってきた多宝丸ですが、途中二郎丸を殺され怒りに燃えるしらぬいの自爆攻撃によってどろろを討つどころか家臣の兵庫が重傷を負ってしまう結果に。そして一方、財宝を見つけることに執念を燃やす盗賊のイタチはしらぬいの自爆攻撃からどろろをかばい、財宝を目の前にして息を引き取ります・・。
タイトルにもついている「無常」感が溢れる後味が良いとは言えない前回のラストでしたが、それを「感じて」なのかどろろが財宝に手を付けないという決断が意味深く感じました。「おいらにはまだコイツの使い方が分からない」というどろろのセリフも、財宝(富)だけで人が幸せになりことはない、という「悟り」を感じるんですよね。
どろろが死んだ「おっかちゃん」に誓ったのは『必ず戦(の世に)に勝つ』ということ。そのための役に立たない、というのであればお宝の件は「なかった」という事に、という解釈をしてもいいのかな?。船上で海風にあたりながら静かに眼を閉じるどろろの表情を見てふっとそう思った前話のラストでした。
第19話「天邪鬼の巻」【ストーリー】
■第19話 あらすじ
アニメ視聴感想(第19話)※ネタばれ注意
刀を打ち直す為に訪れた村に訪れた百鬼丸とどろろでしたが、なぜか村の人々は本当とはあべこべな事を言いやがて百鬼丸とどろろも本心ではないことを相手に言ってしまい大変な騒動に!(笑)・・。修理を依頼している刀はもう必要ない、そして鬼神退治の旅はやめひとめ惚れをしてきた娘おこわと一緒になると言い出す百鬼丸に、どろろというよりは「女の子」である『どろろちゃん』のブチ切れもMAXなラブコメ回でありました。
「ひょうたんつぎ」や「 アッチョンブリケ」も登場してある意味良い「手塚回」でもありましたね(笑)。「戦い」という大きなテーマがあるので、今まで描かれず封印(?)されてきた手塚作品の「コミカルな部分」がこの回に凝縮され描かれていました。そして一方で、ここまで「お遊び」を入れた回は残念ながらもうないのかな?(笑)という気もします。
そして最後になぜか百鬼丸の「謝罪会見」(笑)が行われ、その場でおこわが村の青年から告白を受けるといういつもの『どろろ』とは思えないハッピーエンドでありました。前回までの重苦しい空気は一体何だったのか・・でもこういう回もお話しのメリハリをつけるのに必要かな。それにしてもコミカルな展開な中でも決して表情は崩さない百鬼丸が可笑しかった(笑)。
ということで「ボトルショー」だった今回ではありましたが、何だか心に充電をされた気分で元気が出てきた!。これで来週に控えている(のかな?)重い展開も乗り切れそうです(笑)。
放送・配信情報
放送局
TOKYO MX 毎週月曜22:00
BS11 毎週月曜24:30
時代劇専門チャンネル 毎週金曜26:00
配信
Amazon Prime Video等で配信
スタッフ・CAST声優
スタッフ
原作:手塚治虫
監督:古橋一浩
シリーズ構成:小林靖子
キャラクター原案:浅田弘幸
キャラクターデザイン:岩瀧智
美術監督:藤野真里
色彩設計:三笠修
撮影監督:大山佳久
編集:武宮むつみ
音楽:池頼広
音響監督:小泉紀介
音響効果:倉橋静男
アニメーション制作:MAPPA/手塚プロダクション
製作:ツインエンジン
CAST声優
百鬼丸:鈴木拡樹
どろろ:鈴木梨央
琵琶丸:佐々木睦
醍醐景光:内田直哉
多宝丸:千葉翔也
寿海:大塚明夫
縫の方:中村千絵
ナレーション:麦人